納艇の週末、またうまいこと梅雨の晴れ間で、何はともあれ乗ってみなければ、とマリーナにやってきました。
事務所で鍵などを受け取って、桟橋へ。子どもっぽいかも知れませんが、やはり自艇の浮かぶ桟橋は、何となく誇らしい感じがします。
とは言え、自力出航は初体験。レンタル艇は、離着岸はスタッフの方が手伝ってくれるので楽ちんだったのですが、係船ロープを外す順番からあいまいな私。風は東北東方向。ほっておくと、桟橋からゆっくりと離れていきます。
あまり、まごまごしていると、家族が心配するので、とりあえず簡単なところから、準備を始めることに。今日の自分なりの課題は、オートパイロットとそのリモコンの使い方になれること、と思っていたので、まずはオートバイロットをコックピットへ。そんなの最後でええやろ〜って感じですけど。(笑)
どうせあまり来れないと思うので、オーニングは普段はしまっておくことにしたので、これも取り出して、セッティング。取り付け部分の構造を眺めて、手順を考えたつもりが、見事に手順が逆。後ろから取り付けないと上手くいきません。やり直し。この辺りは、分かってしまえば、次からは大丈夫です。
セールカバーを外し、メインハリヤードをセールに取り付けます。実は、ここでもきっちり初心者らしいミスをしているのですが、わかりますよね〜。ヒントは、レイジージャックです。
メインシート、ジブシートも軽くさばいておいて、とりあえずエンジン始動。まだ、離岸の手順が、整理できていない!
そうこうするうちに、お隣のオーナーの方が、来られたので、ご挨拶。どことなくセイラ−らしい威厳のある方で、初心者の私は、おおいに気おくれしつつ、互いの船をつないだロープを外させてもらいます。係船ロープを投げるのも初めて。何とかうまく届きました。(汗)
さあ、これで残る係船ロープは3本。で、どうするんだっけ? とりあえず風上は最後にと思って、風下を1本外し、続いて船首側をもう1本。すると、割とすぐに船首を風下側に振り出したので、慌てて船を引き寄せます。
う〜ん。やっぱりむずかしいものです。しかし、ここまで来たらもうやるしかないので、十分に桟橋に引き寄せておいて、船に飛び乗ると、スロットルを後進に入れ、ティラーを引きます。この辺は、何となく体が覚えてきた感じです。
うまいこと船首もかわして、前進に切りかえ、近くの船で心配そうに見守ってくれている先輩方に「何とかできました!」とご挨拶。今日は、マリーナのヨットレースの日だったそうです。
出航してしまえば、しばらくは大丈夫。ちょうどお腹もすいたので、お昼ご飯にしました。食べるなら、セールアップの前がいいですからね〜。
さて、仕方がないので?そろそろセーリングを始めないと。とりあえず、船を風に立てるために、オートパイロットの準備。触っているうちに、何となく動き出した。次に、リモコンを接続してみる。これも何となく、反応しました!
そのうち馴れるでしょう。リモコンがあると、メインセールが引っかかったりして、前に行く必要が出来たとき、ティラーのコントロールが出来るので安心かなと思って、つけてもらいました。
船を風に立てて、オートパイロットをオン。メインハリヤードを一気に引いていきます。あ、手袋を忘れた。手袋がないと、ハリヤードを引く手が少々痛い。しかも、左手小指の骨折中。しかし、今更キャビンに潜る気にもなれず、いけいけ。あれっ、何か引っかかった。
以前にも、新西宮でやってしまったので、すぐにピンときました。メインハリヤードをセールにつけるときに、レイジージャックのラインとクロスしてしまったんですね〜。
で、さっそくオートパイロットが役立つときが来ました。ハリヤードを緩めても、少しからまっているので、セールがストンと落ちてくれません。マスト下に移動して、セールを引き下げます。一旦、シャックルを外して、クロスしたラインをクリアし、もう一度つけかえようとするのですが、なかなかシャックルのネジがうまく入らない。
右舷後方からヨットが近づいてくるのですが、この際、先方に避けてもらいましょう。何とか、付け替えを終え、追い抜いていくヨットの皆さんにご挨拶して、もう一度セールアップ。今度はうまくいきました。
次はジブ。実習通り、ハリヤードに軽くテンションをかけつつ緩めながら、右舷側のジブシートを引きます。
これで、しばらくはOK。ちょこちょこオートパイロットを触って、挙動を確認してみました。
近江大橋が近づいて来たので、そろそろ反転することに。ほとんど無風なので、タックがむずかしい。ちょっと風が舞ったりしています。何度か、失敗しながら、西岸をめざします。大津港マリーナは、南湖の西南端。ちょうど、京都につながる疎水の取水口の隣にあります。
小さい子は怖い物知らず。デッキを歩き回ったり、ハッチからバウにある小さなベットに降りたり。風がないとは言え、追い風で、何回かワイルドジャイブしたりするので、こっちはかなり緊張しています。まだ、ブームに背が届いていませんけどね。(笑)
琵琶湖は海のような波がないので、風の音とヨットが湖面を切っていくサラサラという音だけなので、心地良いです。海だと波を砕く音がドン、ドンと入りますからね。
途中から、少しいい風が吹き出して、快調に走りだしたので、バウで寝ている娘に「ヨットが走り出したよ」と声をかけると、眠かったのか、「ヨットが走るわけないでしょ」とぶつぶつ言いながら這い出てきて、「やっぱり走ってない」と一言。
確かに、走ってはいないね。滑ってる? まあ、走ってるでもいいか。穏やかに湖面を滑っているだけなので、すぐに飽きて、またハッチからベットに降りていきました。
「もうじゃましないでよ〜」
だいぶ西岸が近づいてきたころ、まためいめいキャビンから出てきました。そろそろ今日のセーリングは終わりです。
どうも娘はバウが気に入った様子。小さい子が電車の先頭にかじりつくのと同じかな。ジブがかえらないよう、気を付けないと。
少し快走しているので、風が気持ちいいのでしょう。自然はきっといろいろな事を、教えてくれると思うので、いろいろな経験をさせてやりたい。
マリーナが近づいて来たので、ジブを巻き、セールをおろして、機走で戻ります。着岸までは、大丈夫。問題は、係船ロープの手順です。
相変わらず、北寄りの風なので、まず船尾側を繋ぐつもりです。
腹をくくって、何とかつなぎ止める決意で、バースに入っていったのですが、案ずるより産むが易し。親切な方が、係船ロープをとってくれました。地獄に仏。ありがたすぎる。とりあえず、予定通り、船尾側を繋ぎ、次に船首側。これで、桟橋から離れていくことはありません。
このマリーナは、北寄りの風が多いので、私のバースでは、基本、船尾方向からの追い風。船首を桟橋にぶつけないように、船尾側から、バウにもう一本、係船ロープを張ります。
あれ?届かない。来たときは、届いていたのに。水につかって縮んだとか。(笑)見かねたのか、手伝ってくださったTさんが、船尾側の係船ロープが効いていて、船が下がり切らないので、届かなくなっているんだと、教えてくれました。
そうか、微妙な加減でお互いのロープが効き合っているんですね〜。で、船尾側のロープを一旦外し、急いで船首側に回したロープを繋ぎ、船尾にとんぼ返りして、元どおり、船尾側も繋ぎました。
いや〜、ありがとうございました。ひとりだったらきっと出来なかったでしょう。Tさんはひとつ北側のバースに係留されているとか。どうぞよろしくお願いします!
さて、片付けもそれなりに大変ですが、レンタル艇では、セールをたたんでしまったりしていたので、それに比べるとだいぶスマートな感じです。
メインセールはスタックパックにしまうだけ。オーニングをたたみ、ティラーカバーをつけて・・・。そう言えば、ジブを縛っておくのを忘れたなぁ。開口部も、きちんと閉めたか、あまり実感がない。当分は、指さし確認の励行ですね。
娘はラダーを降りて、湖にちょっと足をつけてみている。どっかで泳げるのかな。9月の青木ヨットの講習で、救難訓練もあるようなので、泳がせて遊ばせるのは、もちょっと、勉強してからの方がいいかも知れない。
では、また来るからね〜。と言いつつ、何か、し忘れたようなもやもや感。こういうのも、ビギナー時代の思い出なんでしょうね。(笑)