晴航雨読

〜ヨットとラテン語と、少しだけチェロのこと〜

ちょっと気が向いて船を出したら、また失敗した

今日は久しぶりに琵琶湖でセーリング

 

実は、ヨットに置いている天体観測を取りに行ったんだけど、何となくお天気も回復してきたので、ちょっと船を出してみました。

 

予報では3時ごろから風速3メートル。これは大津市だから、湖上だともう少し吹くだろうね。前は、3メートルの予報だと「無理」と思っていたけど、バースを移動してもらって、寄港時の不安が減ったので、「大丈夫やろ」みたいな感じで、結局あとで後悔することに。汗

 

しかし、出港までの所要時間は、だいぶ短縮したかな。それでも、20分くらいかかったけど、あと5分くらいは縮めたいけど、そんなもんでしょ。

 

時々、海に出たいな~と思うけど、個人的に琵琶湖の南湖は大好きだし、まあ30分で来られるのと、公営のマリーナで、係留料が比較的お安いので、いろいろ考えてみても、結局はこれが一番いいかなというところに、落ち着きます。

 

何と言っても、ミシガンと同じ港というのが、私にとっては、とてもいい感じ。といいつつ、まだ乗船したことがないんですけど、ミシガンが出港すると、いつも手を振ってしまう。笑 そう言えば、最近、お客さんが少し戻ってきましたね。パンデミックで、数人しか乗船していない頃もあったので、ちょっと明るい気分になる。(いや、まだパンデミック下だけど)

 

出港するミシガン(3月4日)

先日、バッテリーを交換してもらったので、エンジンの始動もまずまず。それでも、3週間も経つと、ちょっとパワーが落ちてる。そういうものなんだね。もうちょっと、乗りに来なきゃ。

 

セールアップは前に手に入れた電動ウインチハンドルで、楽々、と思いきや、当たり前だけど、作用反作用というか、結構手首にきました。やっぱり、一応マリンスポーツなんだから、サポーターとか、ちゃんとしないとね。というか、もう若くないんだから、気を付けないと。汗

 

www.seaplaza.jp

 

セールアップした頃は、まだ風速2メートルくらいだったかな。のんびり、南湖のベイエリアセーリング

 

南湖のベイエリアを眺めながらセーリング

南湖のランドマーク、びわ大津プリンスホテルを目標に、のんびり船を走らせていると、突然メインセールに「ドン」という衝撃。これは、天気が急変する兆しだぞ。案の定、直後に急に風が強まって、ググっとヒールしてきた。

 

youtu.be

 

おっと、動画撮ってる場合じゃないので、しばらくセーリングに集中。久しぶりに、デッキに水がかぶるくらいヒールしました。ちょっと焦った。

 

ちょっと風が落ち着いたので、割と風のあるときに、ヒーブツーの練習をしてみました。ヒーブツーは、セールを降ろさずに停船できる技術で、相当風があっても停船できると習った。今日は、風速5m/秒くらいだったと思うけど、何となく出来るようなきがして。(笑)

 

ヒーブツーの練習。ジブとメインセールの推力を逆にしてバランスをとる

こんな感じ。風が収まってきたのもあるけど、安定して停船してる。しばし休憩だ。何事も経験なので、キャビンに入って、トイレに行ってみた。一応、周囲に近づいてくる船がないことは確認したけど、やっぱり、急な風の変化などでヨットの状態が変化しないか、少しドキドキする。

 

まあ、何とか「ミッション」終了。気が付くと、湖上には、無数のヨットが。今日はまた、何かの大会なのかな。

 

気が付くと、湖上には無数のヨットが。関係ないけどこういう雲も好き

また、ちょっと風が強くなってきたので、シブをバタバタさせながらタッキング。こんどは、比叡山麓をめざす。今日は、このくらいの時間から、風が回って比叡山方向からの風となる。琵琶湖は、湖陸風というのがあって、南湖では昼間は北寄りの風なことが多いんだけど、今日は、クローズホールドで攻められる。

 

youtu.be

 

ああ、大津港からミシガンが出港するのが見える。あまり比叡山側に近づくと、ちょうどセールを降ろす時に出会ってしまうなと思って、今日はちょっと手前でセールを降ろすことに。夕方まで、風は次第に強まる予報なので、そういう意味でも、早い方がいい。汗

 

あまりこういうアングルの写真って、撮ったことがないな。どうしてかな

バッテリーが回復したので、今日はオートパイロットが使える。船を風上にたてて、エンジンをかけ、オートパイロットを微調整。あれ?どうも進路が安定しないな、と思いつつ、何度か風上を狙うけど、力なく船首が風上から外れていくのだ。

 

力なく? そう。エンジンのクラッチが入っていなかった。気が付くのが遅い! 推力を得て、少し進路が安定してきたので、まず、ジブをたたむ。ファーラーのシートとジブシートの張りを適度にバランスをとって、しっかりと巻き取る。

 

今思ったけど、そういう意味では、ファーラーのシートがスターボード側(右舷側)にあるので、最後はスターボードタックの方がいいのかな。いつもそうなっているような気がするけど、それは偶然なのかな。

 

タイミングをみて、メインセールを降ろしにマストのところに行かなきゃならない。これが、シングルハンドの一番のリスクだ。相変わらず、風はそこそこ吹いている。嫌だなと思いつつ、仕方がないので思い切って決行。案の定、わずかに船首が風上からずれて、メインセールが少し風をはらむ。すると、きっちりレージージャックにパテンがひっかかって、セールが降りなくなる。

 

少し舵を修正しに戻って、急いでマストへ。こうして気持ちが焦ると、体にも変な力が入るんだろうね。コキっと、腰が音を立てる。あれ?やっちゃったかな。しかし、やるべきことをやらなきゃ。またメインセールが、風をはらみ始めたので、セールをたたきながら、急いで降ろす。何とか降り始めた! セール面積が小さくなると、風の抵抗は面積の2乗に比例して小さくなる。もう大丈夫。

 

腰を労わりつつ、コックピットに戻って、船首を大津港に。バッテリー回復のために、そこそこ機走しなければ。腰はそこまで傷んでいないようだ。一安心。しばらくは、のんびりの帰港しよう。

 

さて、飛行機は最後には着陸が待っている。船は、最後には着岸が待っている。笑

私のバースは、図のように入港方向からみて、奥の方にある。実は以前、追い風が強かったときに、着岸しきれずに、奥側の船に押しつけられたので、今のバースに移動させてもらったのだ。それ以来、着岸の不安はだいぶなくなったんだけど、今日はあいにく向かい風。桟橋から引き離される、そういう意味では、向か風も追い風も同じだ。

 

何となく、ちょっと着岸前の艇速が遅すぎるような気はしていた。行き足が止まりかけたので、一度、エンジンをかけ直したんだけど、それでもバースに入ったとき1メートルほど届かなかった。かなり風で押し戻されていたんだね。汗

 

帰港時の向かい風で着岸に失敗

しかし、こうなったらバックして入りなおすしかない。船はすでに風で隣のヨットに押し付けられている。こういう時のために、桟橋と反対側のフェンダーが必要なんだね。ギシギシ音を立てているので、焦りつつ、しかし狭い港内での機走は慎重にしなければならない。ちょっとふかし過ぎたら、暴走だ。

 

ただし、低速では今度は舵が効かない。しかも後進時は船を左に旋回する力が働くので、右方向に抜けたいときは、舵を右に切って、最初に強めの推力を与える必要がある。この辺、慌てつつも一応体が動いてくれたのは、多少は経験を積んだんだね。

 

といっても、後ろのスペースはほぼないので、すぐに前進だ。風に負けない程度の推力で桟橋に寄せて、最後は再び後進に切り替えて、行き足を止める。いや、もうそんな精神的な余裕はない。多少、桟橋にぶつかるのは仕方ないか。エンジンレバーを操作するとき、目線を落としてしまうので、桟橋までの距離感がわからなくなる。

 

まあ、一応、後進に一度入れてから(入れたつもり)、ニュートラルに。案の定、行き足は完全に止まらず、桟橋にゴツンとやった。船を降りて、何を思ったか、まずスプリングをかけた。きっと桟橋に接触したことが、一番あたまにあったんだね。で、スタンラインをとっていると、当然ながら、バウが大きく風下に流されていく。

 

慌てて、バウを引き寄せ、バウラインをとった。もう止まっているんだから、スプリングなんてほっておけばよかったんだ。ま、私の経験値なんて、こんなもんです。笑

 

マリーナの人が船体の汚れをきれいにコンパウンドしてくれていた。感謝!

ふと気が付くと、気になっていた船体の汚れがきれいになっている。古い係留ロープが汚れて、船体に結構な汚れをつけていたんだけど、先日、係留ロープを新しいものに換えてもらって、マリーナの人が、コンパウンドをかけてみると言ってくれてたんだよね。

 

なかなかこの汚れはしつこいという話だったけど、うまくとってくれてた。どうもありがとう!

 

あれ?船首にヒビが入ったかな。涙

なんて、のんきに書いていたら、ふとこの写真が気になった。接触時の汚れにしては、ちょっとおかしいぞ。もしかして、ヒビが入ったのかな。船首用のフェンダーも持っているのに、つければよかったな。

 

といっても、後の祭り。明日、マリーナの人に診てもらおう。どうなることやら。

 

帰港時のバッテリー電圧。あれくらいの機走じゃ大して充電されないね

 

(2023/3/20追記)

今、マリーナの人から連絡があって、船体は無事でした。汚れもコンパウンドしてくれたらしい。感謝! 本当に心配してたから、うれしいな。