晴航雨読

〜ヨットとラテン語と、少しだけチェロのこと〜

和歌山マリーナで中古艇見学

先日、コロナで不要不急の外出自粛要請の中、遠路、和歌山マリーナまで、中古艇見学に出かけました。

今回は、国産ヨットビルダー・ニュージャパンヨットのリベッチオ26です。2004年進水で、国産ヨットにしては、かなり新しい方なんですよね。エンジンも150時間しか回していないし、写真で見る限り、コックピット、キャビンも使用感なく、美艇です。

あと、和歌山マリーナはいずれホームにしたいと思っているハーバーなので、いそいそとやってまいりました。

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和歌山マリーナシティヨットハーバー

前線通過の合間で、運良く絶好のセーリング日和となって、それだけで、かなりポジティブな気持ちになってきます。

実は、今回は、実艇見学もせずに購入を考えていたので、最初から前のめりだったわけですが、ディーラーのクレストマリンの社長さんに、高い買い物なので実艇見学はしてほしいと諭されての見学なので、個人的には、これは出物だぞという思いであります。

実際、中古艇を見ても、見えない部分はわからないわけですが、セーリングしてみた感じが自分のフィーリングに合うかというのは、やはり重要ですよね。船や船内のサイズ感、ティラーを握った感触、舵の効き方、風への反応とヒール(風を受けて船体が傾くこと)の具合などは、体感してみないとわかりません。

また、コックピットやキャビンの広さ、船内の臭いや座席シート、ギャレーやトイレの傷み具合なども、実際に捜船したり、船内に入ってみると、ロープワークがむずかしそうとか、意外に狭いなとか、油臭いとか、思わぬ感想を持ったりするものです。

で、ジャジャン。これがリベッチオ26です。

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 全体的な印象は、モダンな中にも、クラシカルな雰囲気の、好みのタイプ。たぶん、キール(船底のおもり)位置よりマスト位置が前寄りでしょう。若干、風下に向かう癖がありそうです。ブームがコックピットにあまりかからないのは良いですね。コックピットは家族で乗るには十分な広さ。オーナーズチェアもあります。

今回、販売するにあたって、セールカバーやビミニトップなど新調されたとか。濃紺がスタンダードな艇の雰囲気によくあっています。

キャビンも、チークづかいの木質で感じよくまとめられています。座席シートが割とポップな柄なので、インテリアが明るい感じです。ギャレーはガスコンロはほぼ未使用。シンクも綺麗でした。トイレが電動水洗なのも子どもが小さいので地味にうれしい仕様です。(たぶん手動ポンプはむずかしいです)

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この日の風は、風速2メートルくらい。初心者にはちょうどよい風です。和歌山マリーナは、和歌浦の湾内に位置していますが、基本的に昼間は海風でそこそこ波があります。この辺りが琵琶湖と違うところですね。琵琶湖だと、風速1〜2mでは、鏡のような湖面をすべっていく感じでしょう。

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海からみた和歌山マリーナシティヨットハーバー

せっかくなので、少しセーリングさせていただきました。あこがれの和歌山マリーナにみとれていると、クレストマリンの社長さんが「観光ばかりせんとヨット見てくださいよ」と突っ込み。仕方がないので、とりあえずジブを開いて、シートをコックピットへ。ティラーを持たせてもらって、船を風に立て、メインセールを上げてもらいました。

思った通り、この船は風下に向きやすいようで、軽く機走して風に立て直して、メインが上がりました。まあ、見た感じ、マスト高もそう高くはなく、何とか一人でも上げられそうです。今回、オートパイロットリモコンをつけてもらったので、セールアップ中に少し風が回っても、何とか対応できるかなと思います。

メインセールはストロングトラックなので、いままで乗っていたレンタル艇よりは、だいぶセールの上げ下ろしに要する時間も短縮できそうです。実際、早くしないと、船が風下に回り出すと、セールが風でレイジージャックに押しつけられて、なかなか上げ下ろし出来なくなってしまいます。

まあ、全体としては、かなりシングルでも乗りやすい仕様になっていると思います。

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 セールの方は、前のオーナーさんがあまり乗っておられなかったためか、かなり皺が出ているので、セールクリーニングをお願いすることにしました。状態としては、劣化もなくよいセールだと思いました。色も少しクラシカルなイメージで、感じがよいです。

和歌浦湾を軽く帆走して、戻ったのですが、この艇はエンジンが16馬力で、機走能力がかなり高いようです。艇置予定の大津港は、琵琶湖の一番南端にあるので、この機走能力が役立つシーンが結構あるでしょう。

ハーバーに帰ってから、社長が「船底見ますか」と、マリーナと交渉してくれて、急遽、船を持ち上げてもらえることに。さすが、顔が利きますね〜。

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 娘も、リフトで船が持ち上げられていくのを、興味津々で眺めていました。

まあ、外見を見てもよくわかりませんが、プロペラが帆走時にたたまれるタイプのもので、これも得失があるのかも知れませんが、帆走時にはプロペラはエンジンブレーキと同じで抵抗になるので、うれしい仕様です。

見学を終えて、商談中にしてもらって、社長とお別れ。ヨット倶楽部で、少しまったりしたいところですが、コロナでそれもはばかられますので、ハーバー近くの浜辺で少し遊んで帰りました。

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和歌浦の浜辺で

(おまけ)

浜辺で拾った貝殻で、娘がつくった作品です。(^^)

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中古艇の検討、今回で10回目くらいだと思いますが、今回は割と無理せず、自然体の感じで臨めているかも。

良いディーラーさんと出会い、家族にもあたたかく見守られて、手に入るときはこういうものなんだなぁと、感慨深いです。

もう歳なので、おそらく生涯の相棒になるでしょう。わかりませんけどね。オーナーになるとまた違う世界になるかと思うので、色々勉強してまいります。